近年、デザイン初心者の方にも使いやすいツール「Canva(キャンバ)」を使って、Tシャツプリント用のデータを作成されるお客様が増えてきました。
しかし、印刷用データとしては注意が必要な点も多く、トラブルを避けるためにも正しい方法を理解することが大切です。
この記事では、CanvaでTシャツ用デザインを作成・入稿する際の注意点、データの作り方、印刷用PDFでの書き出し方を丁寧に解説していきます。
目次
目次
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Canvaとは?
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Canvaを使うメリット・デメリット
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Tシャツ用デザインをCanvaで作成する際の基本設定
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デザイン時の注意事項
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印刷用PDFでの書き出し方法
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入稿前のチェックリスト
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よくあるトラブルとその回避法
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まとめ
1. Canvaとは?
Canvaは、オーストラリア発のクラウド型グラフィックデザインツールで、初心者でも直感的にデザインを作成できるのが特徴です。
ブラウザ上で動作し、テンプレートも豊富なため、パソコンだけでなくスマホからでもデザインを作成できます。
2. Canvaを使うメリット・デメリット
メリット
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テンプレートが豊富:ポスター、名刺、SNS用画像など用途に応じたテンプレートが揃っている
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操作が直感的:ドラッグ&ドロップで簡単に配置可能
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無料プランでも使える機能が多い
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スマホやタブレットでも操作可能
デメリット
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解像度の調整が細かくできない
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カラーモード(CMYK)が使えない(RGBのみ)
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パス化(アウトライン化)ができない
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一部フォントが商用利用不可の可能性がある
Tシャツなどの印刷物に使う場合、これらの点を理解した上で使うことが重要です。
3. Tシャツ用デザインをCanvaで作成する際の基本設定
キャンバスサイズの設定
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推奨サイズ:横3508px × 縦4961px(A3サイズ・300dpi相当)
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Canvaは「ピクセル」指定なので、なるべく高解像度で作ることをおすすめします。
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設定方法:
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ホーム画面で「カスタムサイズ」を選択
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幅:3508、高さ:4961、単位:pxを指定
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「新しいデザインを作成」
4. デザイン時の注意事項
① カラーモードに注意(RGB vs CMYK)
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CanvaはRGBカラーのみ対応のため、印刷時に色味が変わる可能性があります。
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鮮やかな蛍光色やネオンカラーなどは、特に再現が難しいため注意。
➡ 印刷会社に事前に相談して、色味の見本(カラーチャート)と照らし合わせると安心です。
② フォントの使用に注意
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無料・Proに関わらず、商用利用が許可されていないフォントも一部存在します。
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特にフリーフォントを使用する場合は、ライセンスを確認することが重要。
➡ Canva公式で「商用利用可」と明記されているものを使用しましょう。
③ 写真や画像の解像度に注意
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Web用の画像を使うと、印刷時にぼやける・荒れる可能性があります。
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Canva内の素材も、拡大しすぎると画質が低下します。
➡ 「画質が良いかどうか」は、拡大表示で確認して判断するのがベスト。
④ デザインのサイズ・位置に注意
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実際にTシャツにプリントしたときのイメージを想像しながら配置を行いましょう。
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Canva上のサイズは実寸ではないため、目安として以下を参考に:
デザインサイズ(cm) | 用途例 |
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約20×20cm | 胸・背中中央 |
約30×40cm | 前面・背面大判 |
5. 印刷用PDFでの書き出し方法(入稿用)
書き出し手順:
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画面右上の「共有」→「ダウンロード」
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ファイルの種類:「PDF(印刷)」を選択
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オプション設定:
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「トリムマークと塗り足しを含める」→ チェック不要
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カラープロファイル:CMYK → Canva非対応(RGBのままでOK)
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PDFの圧縮 → 圧縮なしを推奨
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「ダウンロード」
➡ 完成したPDFをそのまま印刷会社に送る or 入稿サイトでアップロードすればOK。
6. 入稿前のチェックリスト
☑ キャンバスサイズは3508×4961px(または300dpi相当)になっている
☑ 商用利用OKのフォントを使っている
☑ 写真や素材の画質が荒くないか確認した
☑ デザインの配置バランスに問題ないか
☑ RGBカラーで作成していることを理解した
☑ 「印刷用PDF」で書き出した
☑ ファイル名に日付や名前をつけて管理しやすくしている
7. よくあるトラブルとその回避法
トラブル内容 | 原因 | 対応策 |
---|---|---|
色味が違う | RGB→CMYK変換時のズレ | カラーチャートで確認/事前に色味の確認を |
文字化け | フォントが印刷時に置き換えられた | フォントを画像化 or PDF化して送る |
画質が粗い | 解像度不足、画像の拡大しすぎ | 高解像度素材を使う/大きめサイズで作成 |
フチが切れる | 塗り足し・余白がなかった | 重要な要素は内側に配置する |
8. まとめ
Canvaは誰でも手軽にデザインできる便利なツールですが、印刷物に使うにはいくつかの注意点や制限があります。
特にTシャツ用のデザインでは、解像度・色味・フォントの権利・PDF形式の書き出しがポイントになります。
正しい手順を守れば、Canvaでも十分高品質なTシャツプリントが可能です。
▶ ご不明な点があればお気軽にお問い合わせください!
「このデザインで大丈夫?」「ここを修正したい」など、小さなことでも気軽にご相談ください!
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